専攻長挨拶

  国際連携情報学専攻(博士後期課程)は、名古屋工業大学とウーロンゴン大学(オーストラリア)のジョイント・ディグリープログラムです。本専攻を修了した学生には、両大学が共同で単一の学位を授与します。本専攻では、超スマート社会の実現や、第4次産業革命への貢献を見据え、情報学分野において世界をリードし新規研究分野を開拓できる研究者、国際的な展開を行うIT関連企業を始めとするグローバル企業において新規事業の開拓を先導するグローバルリーダーとしての実践的研究者・技術者を養成します。

  本専攻では両大学の世界トップレベルの教授陣による共同の教育指導を行います。入学する学生は、グローバルな研究活動を行うための英語能力が試されます。IELTS の各分野で 6.0、全体として IELTS アカデミック・モジュール 6.5 以上を有することが期待されます。また、学生は両大学のキャンパスに滞在し、研究に専念することで、グローバルな研究活動のセンスを身につけます。そして、授与される共同博士号(ジョイント・ディグリー)は、両大学の世界を先導する教授陣により、独創的かつ実践的な研究に磨きあげられます。大変厳しいプログラムですが、当然得られるものも非常に大きいと思います。お互いに、国際的な視野で研究活動を行いましょう。

国際連携情報学専攻
専攻長 本谷 秀堅 

国際連携情報学専攻とは

設置の趣旨

  人工知能(AI)、ビッグデータ、IoT 等の技術革新により産業構造等に大きな影響を与える第4次産業革命時代に向け、イノベーション創出への取組を世界各国の政府、企業等が行っています。我が国においても、“サイバー空間とフィジカル空間(現実社会)が高度に融合した社会”である「超スマート社会」の世界に先駆けた実現を目指し、各種の取組が推進されているところです。

  第4次産業革命に対応し、超スマート社会を実現するためには、その中核技術である人工知能(AI)、ビッグデータ、IoT 等の情報学分野のイノベーションをリードできる高度な知識・技術を身につけた研究者・技術者の存在が必要不可欠であり、高等教育機関における人材養成への期待は今後さらに増すものと予想されます。名古屋工業大学は、人工知能(AI)、マルチエージェントシステムを中心とする情報学分野で長年にわたり共同で教育研究活動を展開しているウーロンゴン大学と連携し、両大学の教育研究資源を活用したジョイント・ディグリープログラム(日本の大学が外国の大学と連携し、共同で開設した教育課程を修了した学生に対し、共同で単一の学位を授与する制度)による国際連携情報学専攻を設置することによりその要請に応えます。

専攻の概要

開設大学 名古屋工業大学(NITech)、ウーロンゴン大学(UOW)
課  程 博士後期課程(3年)
取得学位 博士(学術):Doctor of Philosophy
※両大学連名の学位記
入学定員 2名/年(NITech又はUOWで入学手続きを行う学生各1名)
入学時期 UOWで入学手続を行う学生:原則3月
NITechで入学手続を行う学生:4月・10月
開設時期 2018年3月

専攻長

ウーロンゴン大学の概要

  ウーロンゴン大学は、オーストラリアのニューサウスウェールズ州ウーロンゴン市にある公立大学で、1951年に創立されました。工学・情報科学部、ビジネス学・法学部、社会科学・人文学・芸術学部、理学・医学・保健学部、4つの学部を設置し、学生数約3万4千人を誇る総合大学であり、約40%の学生が海外プログラムに参加するなど非常に国際色豊かな大学です。
また、世界大学ランキングの上位200位以内(167th in the world – QS World University Rankings 2025年版等)に位置するなど、国際的にも高い評価を受けています。

ウーロンゴン大学についてはこちら

ウーロンゴン市について

  オーストラリア南東部に位置するニューサウスウェールズ州の都市で、シドニーから南方約80キロメートルに位置している。人口は約21万人(2021)。シドニー空港からは鉄道で約一時間半。東にタスマン海、西にはイラワラ絶壁を擁し、美しい海岸線をはじめとする自然豊かな都市です。

オーストラリアマップ

入学希望の方

入試情報

養成する人材像

  超スマート社会の実現や、第4次産業革命への貢献を見据え、情報学分野において世界をリードし新規研究分野を開拓できる研究者、国際的な展開を行うIT関連企業を始めとするグローバル企業において新規事業の開拓を先導するグローバルリーダーとしての実践的研究者・技術者を養成し、次に掲げる能力の修得を目指します。

①国際社会の課題を技術的側面から理解し、産業社会の将来像を展望できる能力 ②情報学分野での深い専門知識と超スマート社会実現に向けた技術に関する幅広い関心・洞察力 ③高い独創性と強い研究推進能力によってイノベーションを牽引する能力

各年度募集人員

募集専攻 募集人員
名古屋工業大学 ウーロンゴン大学
国際連携情報学専攻 1名 1名

重要なお知らせ

①志願者は、名古屋工業大学、ウーロンゴン大学のいずれかに出願しますが、名古屋工業大学へ出願した志願者は、名古屋工業大学において入学試験を受験することとなります。この場合、入学手続、授業料等の納付、奨学金の申請等に関して、名古屋工業大学で取り扱います。 ②本国際連携情報学専攻において、名古屋工業大学とウーロンゴン大学を併願することはできません。 ③英語能力については、IELTS の各分野で 6.0、全体として IELTS アカデミック・モジュール6.5 以上を有することが望ましい。募集要項はこちらに掲載されます。「国際連携情報学専攻」の箇所をご参照ください。

IELTS とは?

  International English Language Testing System(IELTS:アイエルツ)は、海外留学や研修のために英語力を証明する必要のある方、およびイギリス、オーストラリア、カナダなどへの海外移住申請に最適なテストです。イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドのほぼ全ての高等教育機関で認められており、アメリカでも TOEFLに代わる試験として入学審査の際に採用する教育機関が3,000を超え、英語力証明のグローバルスタンダードテストとして世界中で受験者が増え続けています。 IELTSはブリティッシュ・カウンシル、IDP:IELTS オーストラリア、ケンブリッジ大学英語検定機構が共同運営で保有する試験で、日本国内においては、公益財団法人日本英語検定協会が実施運営をしています。 また、IELTSには、アカデミック・モジュールとジェネラル・トレーニング・モジュールの2種類があり、アカデミック・モジュールは、受験生の英語力が、英語で授業を行う大学や大学院に入学できるレベルに達しているかどうかを評価するものです。イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドの大学や大学院では、アカデミック・モジュールでの試験結果が入学許可の判断の基準となっています。

カリキュラム

  本専攻では、両大学から1名ずつの指導教員を配置し、2名の指導教員が連携し、学生が作成する研究計画の内容に鑑み、学生一人ひとりの研究の独自性や研究進捗状況に応じた指導計画を作成し研究指導を行います。標準修業年限3年間であり、在学期間中の1年間(2年次の1年間)は連携大学に滞在して研究を行います。 名古屋工業大学で入学手続を行った学生の場合、1年次は名古屋工業大学で研究を進め、専門的知識を学ぶことで専門的洞察力を深めます。2年次はオーストラリアに渡航し、ウーロンゴン大学の指導教員の下で同大学の強みとする分野を学ぶことで研究内容を補完するとともに、異文化との出会いを通じて国際的俯瞰力を深めます。そして3年次は再び名古屋工業大学に戻り、研究成果をまとめて博士論文を完成させます。 地理的に離れた両大学の指導教員が共同で指導することから、学生がどちらの大学に滞在している場合でも、オンラインにて両指導教員から指導を受けることができ、また両指導教員が学生の研究進捗状況と能力達成度を共有できる体制を整えます。 学生の能力達成度はルーブリックを用いて評価し、学生は1年次修了までに「最終研究計画審査」を、2年次修了までに「研究中間報告審査」を受審し、両大学の指導教員等で構成される合同論文審査員会において論文発表を行い、口頭試問、最終試験を受けます。

履修スケジュール

履修スケジュール

 

国際連携情報学専攻教育スタッフ

名古屋工業大学

職名 氏名 現在の主要研究テーマ E-mail 研究者
データベース
教授 犬塚 信博
  1. 機械学習とデータマイニング
  2. 社会ネットワーク分析
  3. 知能技術を応用したシステム分析
inuzuka.nobuhiro
教授 打矢 隆弘
  1. サイバー社会を支える新しいソフトウエアの基盤の開発
  2. 広域分散環境を基盤とした応用知能ソフトウエアシステムの開発
  3. エージェントシステムの設計方法論・開発/運用環境の構築
t-uchiya
教授 加藤 昇平
  1. 統計的機械学習・メタヒューリスティクス
  2. 知能・感性ロボティクス
  3. 知能化・最適化技術の産業・医療応用
kato.shohei
教授 白松 俊
  1. ナレッジグラフを用いた市民協働の支援技術
  2. 自然言語処理による議論分析と議論支援
  3. 身体動作による即興合奏支援システム
shiramatsu.shun
教授 本谷 秀堅
  1. 医用画像処理
  2. 形態解析
  3. 表現学習
hontani.hidekata
教授 和田山 正
  1. 符号理論に関する研究
  2. 無線通信信号処理に関する研究
  3. 情報理論に関する研究
wadayama.tadashi
准教授 大塚 孝信
  1. ワイヤレスセンサネットワーク
  2. 統計的機械学習
  3. マルチエージェントシステム
otsuka.takanobu
准教授 後藤 富朗
  1. 画像処理
  2. 学習法
  3. 画像認識
goto.tomio
准教授 松井 俊浩
  1. マルチエージェントシステム
  2. 分散最適化
  3. 協調問題解決
matsui.toshihiro
准教授 森山 甲一
  1. 強化学習
  2. マルチエージェントシステム
  3. ゲーム理論
moriyama.koichi

※E-mailアドレスの末尾は「@nitech.ac.jp」を補完して下さい。

ウーロンゴン大学

職名 氏名 現在の主要研究テーマ
Professor SUSILO Willy
  1. 情報セキュリティ
  2. 暗号化
Professor WANG Lei
  1. 画像処理
  2. 機械学習
Associate Professor HAGENBUCHNER Markus
  1. データマイニング
  2. 機械学習
Associate Professor YAN Jun
  1. サービスコンピューティング
  2. 知的ワークフローモデリング
Lecturer REN Fenghui
  1. マルチエージェントシステム
  2. 人工知能
Lecturer SU Guoxin
  1. 人工知能
  2. ソフトウェア工学
ウーロンゴン大学にて